扶養家族について
健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この「被扶養者」の範囲は法律で決められています。被扶養者となるためには、健康保険組合の認定を受けなければなりません。家族を被扶養者としたいときは、「健康保険 被扶養者(異動)届(増加)」および「健康保険 被扶養者状況調査書」に必要事項を記入し、必要書類を添えて、原則5日以内に届出てください。
届出前に、扶養に入れるための条件を満たしているか、こちらをご確認ください
家族を扶養に入れたいとき
被保険者によって生計を維持されている「家族」は健康保険の被扶養者になることができます。健康保険では被扶養者に対し、保険料負担なく保険給付を行います。このため、被扶養者になるためには「国内居住」のほか「家族の範囲」「収入」について法律などで決まっている一定の条件を満たすことが必要です。
また、健康保険の被扶養者は会社や税法上の「扶養」とは基準が異なりますので、扶養手当や年末調整等とは別の手続きが必要です。
健康保険では、被扶養者となれる家族の範囲も決まっています。
被保険者と同居していても 別居していてもよい人 |
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被保険者と同居していることが 条件になる人 |
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被扶養者の認定基準
被扶養者となるには、家族関係だけではなく下記の条件を満たし「対象者が被保険者によって扶養されていること」を健保組合が確認する必要があります。健保組合は、対象者が被扶養者に該当するかどうか申請書類等から総合的かつ厳正に審査します。
国内居住要件
健康保険法等の一部が改正され、2020年4月1日より被扶養者の認定要件に「日本国内に住所を有すること」が追加されました。
ただし例外として、留学生や海外赴任に同行する家族などこれまで日本で生活しており渡航目的より今後も再び日本で生活する可能性が高いと認められる場合は、日本に住所(住民票)がなくても国内居住要件を満たしていると判断されます。
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日本国内に住所(住民票)があること
※ただし「医療滞在ビザ」「観光・保養を目的とするロングステイビザ(最長1年)」で日本に滞在する外国籍の方は、健康保険法の適用除外のため日本国内に住所(住民票)があっても被扶養者に認定できません。
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日本国内に住所(住民票)はないが、日本国内に生活の基礎があると認められること
※ビザなどで状況確認のうえ、国内居住要件の例外として認められます。
理 由 | 確認書類(※1,※2) |
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①外国において留学をする学生 |
ビザ、学生証、在学証明書、入学証明書の写し |
②外国に赴任する被保険者に同行する者 |
ビザ、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書の写し |
③就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者(観光、保養又はボランティア活動など) |
ビザ、ボランティア派遣機関の証明、ボランティアの参加同意書の写し |
④被保険者の海外赴任中に出産・婚姻などで身分関係が生じた者 |
出生や婚姻などを証明する書類などの写し |
⑤渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者 |
※3 |
※1.該当事由に応じた確認書類のうち、いずれか1点の写しを提出してください。
確認書類が外国語で作成されている場合は、翻訳者が署名のうえ、和訳した日付を記載した日本語の翻訳文を添付してください。
※2.対象者との続柄、就業状況等の区分、および国内居住要件の例外該当事由に応じた添付書類/確認書類については、こちらをご参照ください。
※3.①~④以外の事由等で海外に在住し、「日本国内に生活の基礎がある」(上表⑤)に該当する場合には、認定可否、必要な確認書類などについて、予め健保組合へご相談ください。
収入の条件
- 年間収入が130万円未満(60歳以上の方または障害者は年収180万円未満)であること
- 被保険者の収入の2分の1未満であること
なお、当健保においては仕送り額の下限額を月額54,000円(年額648,000円)、60歳以上の場合の下限額は月額75,000円(年額900,000円)としています。
扶養申請等の際には、金融機関の振込依頼書など送金を証明できる書類(送金元と送金先がわかるもの)を提出いただきます。
その他
- 扶養している事実があること
被保険者は対象者の生活費のほとんどを主として負担していることが必要です。収入の基準を満たしていても、対象者が経済的に自立している場合は扶養に入れません。 - 被保険者に扶養能力があること
被保険者には継続的にその家族を養う経済的扶養能力があることが必要です。ほかの条件を満たしていても、扶養能力がないと判断される場合には扶養に入れられません。
- 被扶養者に加える対象者の親族(兄弟姉妹・祖父母の場合は「両親」など)の中で、被保険者より収入が高額であるなど、対象者に対して“優先扶養義務”を有する方がある場合には、被扶養者として認定することができません。
- 被保険者が“最優先扶養義務者”であり、被保険者がその対象者を扶養せざるを得ない明瞭、合理的な理由があることが認定の要件となります。
- 原則として収入の多い方の扶養となります。
- 夫婦の年間収入(賞与等含む)の差額が多い方の1割以内である場合は、被保険者が届出書において「主として生計を維持する者」とする方の扶養とすることができます。
- 当組合、または配偶者が属する健康保険組合の認定・不認定が一致しない場合、厚労省の規定にしたがい、2つの組合間で調整が必要となる場合があります。
16歳以上60歳未満の方は就労可能な年齢にあり、被保険者の経済的支援がなくても自立して生活できる場合が多くあります。このため、被扶養者になるためには書類の提出により就労できない状態にあることを証明し、被保険者が生活費のほとんどを援助しなくてはならない状態にあることを申告することが必要です。
失業給付を受けている間は、原則として「主として被保険者の収入によって生活している」とは考えられませんので、一般的には被扶養者として認められません。ただし、失業給付が少額※であれば認められます。なお、待期・給付制限期間中は収入がないため被扶養者となることができます。
被扶養者資格の確認(検認)
被扶養者資格の確認は一定の期日を決めて実施し、被扶養者の資格を継続できるかを調査することになっています。調査時に必要書類の提出ができないときは資格を取り消される場合もあるため、仕送り証明などの書類はいつでも提出できるように準備していただくことが必要です。
虚偽の申請による罰則
被保険者が扶養の実態がない家族を虚偽の申請により認定を受けたことが判明した場合は、被扶養者の資格は遡って取り消され、当該期間中に発生した医療費の全額およびその他給付金を過去に遡及し返還していただきます。
家族が扶養からはずれるとき
就職や別居、死亡などで、それまで被扶養者として認定されていた家族が、被扶養者の認定基準を満たさなくなった場合は、被扶養者からはずす手続きが必要です。
継続的な収入が 年間130万円 (60歳以上は180万円) 以上得られるように なったとき |
※年間収入の限度額を超えてからでなく、働きだした(収入をもらいだした)時点より被扶養者からはずれますので注意してください。就職しているが就職先で健康保険に加入できない場合も同様ですので、扶養をはずす手続きをしてください。
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雇用保険(失業など給付) を受給するように なったとき |
(受給期間を延長されている方などで) 後日受給をされるようになった場合は扶養をはずす手続をしてください。 |
扶養の関係が なくなったとき |
※扶養からはずれた後は、被保険者本人として国民健康保険や他健保に加入するか、新しく扶養される方の扶養家族となる手続きが必要となります。
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扶養削除日
削除日は被扶養者異動届の事由発生日となります。
ただし、死亡においては発生日の翌日を削除日とし、就職して資格情報のお知らせ・資格確認書等が発行されている場合はその資格取得日を削除日とします。就職して扶養を削除する場合は、被扶養者異動届に就職先の資格情報のお知らせ・資格確認書等の写しを添付して提出してください。
手続きを忘れた場合の注意
※扶養をはずす手続きをして新たに別の健康保険などに加入された場合はその旨を医療機関の窓口でお伝えください。